ユニヲンジャック

外出た/瞬間/やっていくしかない

レジェンドクソ映画『ひるね姫』の感想 (#410)

どうも、クソ映画研究家の三橋です。

前回の劇場版モンスト同様、東大生(キチガイ)に誘われたので『ひるね姫』キメて来ました。

感想

もうね、本当につまんねえの。受け入れ難いつまらなさ。

細かい文句(後述)は抜きにして、マジで何を描きたかったのか分からない・テーマが見えない。

東大生(アニメ研究会)は「テーマが無い作品もあるしそこは大きな問題じゃない」って言っていたけれども、僕は同意しかねるというか、これは地上波で垂れ流している30分のアニメじゃあないんだよ、1500円と2時間を払って観る映画なんすよ。

「クソ」という評価(言葉)は、キャッチーな反面、度量が大きすぎる言葉なので使う人・受け取る人によって意味が変わってきてしまうというリスクを孕んでいる。

すなわち、この映画の感想を正確に表現するならば、「つまらなかった」というフレーズの方が適しているのだろう。

ではこの映画の感想をエモーショナルに表現するならばどうだろうか、

言うまでもなく、「クソ」だ。

良かった点

絵が綺麗

良くなかった点

「良くなかった」どころではないけどな!(「悪い」という言葉は「良くない」と言い換えた方が人生は角が立たない)

あらすじを短く纏めきれなかったので、映画を観ていない人は以下は意味不明になります。各自お任せします。

テーマが無い

やはりこれが僕の中では致命的だ。

描きたかったものが、家族の絆なのか、SFを絡めたトリッキーなシナリオなのか、ロボットバトルなのか、はたまた仲の良い男女の珍道中なのか。

どれも中途半端だし、どれでも無かったのかもしれない。

仮に主人公のココネが可愛いだけの映画、ならば最悪それだって良かった。

申し訳ないけれど、手広くやってそれを最後に纏めて昇華して良い映画だったねってやれるほどの手腕はこの監督には無いように感じる。もしくは圧倒的に時間や予算が足りなかったか。

ガバガバ世界観

ココネが見る夢の世界は中世+現代+未来って感じで、「舞台は機械産業で成り立つ王国、城下町は鬼と呼ばれる大きな怪物に襲われたりしているが、王国の技術で作ったロボット(エヴァンゲリオンみたいなの)で対抗している。それはそれとして王様の娘は魔法使いで鬼も追い返せる魔力を持っているが、機械立国なので魔法を認めるわけにはいかないのだ。」みたいな。

この夢の内容自体はまあ夢だしなと受け入れるとして、本題はここからだ。

機械でエヴァを作る技術があるのに、みんな手作業で車作ってるんすよ、この王国。そしてみんなで渋滞に文句を言いながら車に乗っている。本当にまだ車が必要な文明レベルなんだろうか。

そしてエヴァの動力、何故かエアロバイク。3人ぐらいの兵士が上官の命令でエアロバイクを右に漕いだり左に漕いだりしているのだ。じゃあどの部分が機械仕掛けなんだよ。

夢の世界で使える魔法はぬいぐるみを喋らせたり、バイクを変形させて空を飛ばせたりときっちりファンタジーしているのだけれど、

現実の世界でも完全自動運転が登場していて、さらに最後にはバイクに意志があるようなシーンさえ描写されている。現実だってファンタジーだぜ。

舞台が岡山

当然何の意味も無い。

劇場版モンスト(島根)といい、どうして辺鄙な土地を舞台に選んでしまうのか、そしてその特性を活かしきることが出来ないのか。それなりに金が絡んでいるのかなとしか思えない。

例えば『君の名は。』の奥飛騨だったら、彗星が落ちるシーンで本州の中心になって見栄えが良いとか、思い立てば半日で東京に行ける(実際の距離の近さが心的な距離感を遠ざけていた)とか、それなりの理由を考えることが一応出来るのに。

そして中盤から舞台は東京に移る。

岡山には空港が無いのか知らないけれどわざわざ瀬戸大橋を通って高松空港に行ったりして、道中で夢の世界を挟んだりして、危惧していたとおり登場人物がどこにいるのか分からない。

序盤で岡山の警察に連行された父親は終盤で東京の警察から解放されて主人公たちと合流。観ている我々は父親がワープしたように感じるのだ。いつ引き渡されたんだよ。

夢と現実のリンクが活かせていない

ココネが眠ると夢の世界に移る、夢の世界なら魔法があるから障壁を乗り越えることが出来て、それは現実で直面していた問題にも作用してまた歩を進めることが出来る。

というのが基本設定のようだけれど、「眠る」というトリガーがいまいち扱いにくいのか、夢と現実を行き来する機会も限られていたし、前述のように夢の世界観が独特すぎて現実の世界と齟齬が生まれている。

夢の世界で何をしたら現実の問題が解決するのか観ている方はよく分からないし、夢から覚める場所は現実で眠りについた場所ではなく夢の中の座標が現実に反映されるらしいので早い話が眠るたびにワープだ。

さらに終盤は現実と夢の境界が曖昧になっていくので、ココネが会話していた祖父(現実)が急に国王(夢)として振る舞いだしたり、夢の世界で片手でぶら下がって絶体絶命、って場面が急に現実に転換してビルの中の吹き抜けの部分でぶら下がってたり。

書いてる僕もこの文章で伝わるとは思っていないけれど、本当にありのまま起こったことを書いているんだポルナレフ。

そしてラストシーンも、夢の中では鬼を倒して一応盛り上がりを見せるのだけれど、現実ではリンクして分かりやすいクライマックスが用意されておらず、代わりにビルの吹き抜けから落ちるココネを受け止める父親・モリオ(同行していた仲間)・自動運転車、という謎の展開で大団円。

無駄に長い

上映時間1時間50分。

「これはなかなか終わんねえかもな」ってトイレに立ってしまったのだけれど、その後4人僕に続きました。

プロットレベルでちょくちょく舐めてる

  • 奪われたキーアイテムを取り返す
    →搭乗チケットを買ってる最中に近づいて足元の荷物をそっと奪う
  • バイクにサイドカーを付けたもの
    →モリオ「これは普通免許で乗れるやつ!」
  • 普通免許で乗れるらしきバイク(原付)
    →ノーヘルで高速道路を疾走
  • 舞台は2020年、東京オリンピックの3日前
    →あんまり関係ない
  • 父親、警察によって連行
    →罪状不明。悪い人の計略によるもので令状はなさそうだが従う父親。一転その後は黙秘を貫く。
  • 取調室の父親
    →隠し持っていたスマホをいじる(後に没収)
  • ココネ、大阪まで悪い人から逃げのびる
    →悪い人に連行されていった父親のスマホ宛に「いま道頓堀に居ます」
  • モリオ、大阪まで逃してくれた自動運転車を岡山に返す
    →東京までの新幹線代はココネが払えると思った(払えない)
  • 【夢】高いところから落ちそうになる
    →これを掴め!
    →タブレット端末
    →指を滑らせて落下
  • 【夢】「計画は失敗か……だったらみんな燃えちまえ!!!(フハハハハ」
    →なぜか魔法を使った本人が炎上

という感じに、これ以上書くと性格が悪いと思われてしまいそうなのでこれぐらいにします。

ひるね姫最高!!

コメント

  • あまりにもだったから最初からなかったことにしてツイッターでもつぶやいてなかったけど完全同意な公開日に観に行った俺です

    • > 山下さん
      コメント読んだ瞬間笑顔になりました。
      その気持ちも凄く分かります。元気が奪われていくタイプのクソなんですよね、これ。
      結果がんばって作文しすぎてユーモアの欠落した長文を読ませてしまったのは申し訳ないです。

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