アジカンの良い曲を紹介するやつ その3 (#353)
まさかその3までも書くことになるとは思わなかったアジカン親善大使シリーズ。
曲を紹介するときの自分の語彙も底を尽きて、改めてアジカンの凄さを他ならぬ僕が1番実感している。
前回まではこちら
6thフルアルバム「マジックディスク」
よく言われているのが、アジカンはこのアルバム(2010年)でひとつの到達点を迎えたとか何とか。
それは僕も思います。例えばトマトなら完熟って言葉がピッタリくるような感じで。
ただ、完熟したらあとはダメになるトマトと違って、僕は現在のアジカンもすごく好きなのだけれど。
じゃあなんでトマトの話なんかしたんだよ!
架空生物のブルース
普段は歌詞を重視しないのだけれど、この歌詞はすごく好きだなあ。
「最深部で濁るブルーから這い出すために糸を吐いて その糸でいつか希望を編んで ありもしない羽で空を飛ぶ日を思う」
基本的に斜に構えている人間だからかもしれない。
そうでなくてこの歌が好きな人はごめんなさい。
橙
「眠らないコンビニエンス 現代が手にした「永遠」」
って歌詞がすごく皮肉が効いていて語感も良くて好きだ。
完熟感を味わえているでしょうか。
7thフルアルバム「ランドマーク」
ここからはベストより後発のアルバム。
All right part2
橋本絵莉子(チャットモンチー)が参加していたり、歌詞があいうえお作文になっていたりとギミックに富んだ1曲。
「ランドマーク」は震災を意識して作られたアルバムなのだけれど、
だからこそ(しかも1曲目に)こういう曲があるのはすごく意味があるように感じる。
「エディという名の犬の模型」って何だよ、とか無粋なつっこみは止めようじゃないか!
AとZ
こちらもアルファベットで言葉遊びが入った1曲。
このアルバムと震災はどうしても分けて考えるのは難しいのだけれど、
当時の状況下であれやこれやを詰め込んで、
それでも最終的に出来上がるのはいつも通りフィルターを通した抽象的な歌で、
でも今作はどこかに「いつもと違うぞ」と思わせるフック的なフレーズも多々仕込まれていて、
そのあたりのバランス感が優れているから僕はすっとアジカンが好きなのだろうと思う。
ここで「福島がヤバい!原発反対!ウオオォォォ!」みたいな歌がリリースされていたら、少なくとも僕は聴くのを止めてしまっただろうなあ。
バイシクルレース
さっき挙げた「いつもと違うぞ」感のなかでこの6曲目を聴いてやっと安心できたというか、
曲調はともかく、すごくアジカンっぽい曲だと思います。
逆に、「いつかはこの空洞を埋めるように 微笑み合いたいな」
という未来への願いのような歌詞は珍しい部類かな、と。
(なんとなく今を歌う曲が多いイメージ)
個人的にジャケットが1番好きな、「フィードバックファイル2」から
夜のコール
時系列的には結構前の曲なので、韻を踏むタイプの歌詞で心地が良い。
前向きな歌なのも良いし、こういう曲をシングルにすればもっと売れるんじゃないかなあ、と思ったり思わなかったり。
雨上がりの希望
サビからはじまったり、サビの音程が最後だけ変わったり、建さんと山さん(普段はコーラス)だけで歌う部分があったり、
変化し続ける・走り続けるイメージの曲。珍しい。
コーラスだけで歌っているところにメインのゴッチ(後藤)が被せて入ってくる部分が好きです。ちょっと細かすぎるかな。
夜を越えて
今まで何曲も好きな曲を紹介してきたのだけれど、書いてある「好きな理由」みたいな作文って実はほとんど嘘のようなもので、
っていうと語弊があるけれど、今まで感情的にただ「イイなあ」と思って聴いていた曲に理屈で説明をつけたようなものだ。
この『夜を越えて』もそうだけれど、本当は音楽を聴いて「イイなあ」と感じるのは理屈じゃないように思う。
たとえばこの曲は強いて言えばなんかギターが良い。
ギターのことは全く分からないし、そもそも僕が良いと思っているのが本当にギターの音なのかも怪しい。
アジカンを(リライトしか)知らない、って人は多くて、
僕はその人達に、アジカンの他の曲も聴いて、特に理由もなく「イイなあ」と思って欲しい。
僕の書いた拙い作文がそのためのワンクッションになれば幸いです。
僕の書いた作文がクソだと思っても、アジカンは一度聴いてみてください。急に前田敦子みたいになった。
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